「国民全員がもらえる年金を増やす」案が、政治の反対で見送りに――。
日本では、将来の生活を支えるために「年金」というしくみがあります。中でも「基礎年金」は学生を含むすべての人が対象。一方、「厚生年金」は会社で働く人だけが加入します。
最近、政府は「基礎年金をもっと手厚くして、生活を安定させよう」と考えていました。でもそのためには、厚生年金の金額を少し下げる必要があります。これに対して「働く人の負担が増える」「やる気がなくなる」といった反対の声が自民党から出て、計画はストップする方向になりました。
これから年金制度はどうなっていくのか？私たちの将来にも関わるこの問題を、やさしく解説していきます。
まず、日経新聞で取り上げられた記事の内容を切り抜きします。
基礎年金底上げを見送り
厚労省調整 厚生年金減額に自民反発
厚生労働省は年金制度改革に向け、基礎年金の底上げ案を断念する方向で調整に入った。会社員らが入る厚生年金を減額して、全員が加入する基礎年金を手厚くする案だったが、自民党からの反発が強く、実現は難しいと判断した。
年金制度は二階建てで、1階の基礎年金はすべての人が加入する。2階の厚生年金は会社員や公務員が対象。厚労省は、年金格差の是正などを目的に、基礎年金を底上げし、財源として厚生年金を減額する制度案を検討してきた。
だが、17日の自民党の会合では反対意見が続出。自民議員からは「勤労意欲を削ぐ」や「将来世代の負担が大きくなる」などの意見が相次いだ。年金財政は悪化しており、政府は今後も制度の見直しを続ける方針だが、与党内の意見対立もあり、調整は難航しそうだ。
【2025年最新】基礎年金の増額案が見送りに？厚生年金減額との関係や今後の影響をわかりやすく解説
はじめに：年金改革のニュース、他人事じゃない！
2025年4月、政府が検討していた「基礎年金の底上げ（増額）案」が見送られる見通しとなったというニュースが流れました。
この案は、すべての国民が対象となる**「基礎年金」を将来的に手厚くする代わりに、会社員や公務員が対象の「厚生年金」**の給付額を見直すという内容。
しかし、与党・自民党内から「現役世代の負担が増える」「働く意欲をそぐ」といった反対意見が続出し、見送りとなる方向です。
この出来事は、将来の年金受給や私たちの資産形成戦略に大きく関わる可能性があります。この記事では、今回の「基礎年金見直し案の見送り」について、ニュースの背景、反対理由、そして今後の影響をやさしく詳しく解説します。
日本の年金制度をおさらい：2階建てのしくみとは？
日本の年金制度は「2階建て構造」と呼ばれています。
| 階層 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 1階部分 | 基礎年金（国民年金） | 20歳以上60歳未満のすべての人（自営業、フリーター、学生など含む） |
| 2階部分 | 厚生年金 | 主に会社員・公務員など給与所得者 |
基礎年金は全員がもらえる「最低限の生活保障」で、厚生年金はそれに上乗せされる報酬比例の部分です。
今回の年金改革案とは？簡単に言うと…
政府が検討していたのは、以下のような改革です：
「基礎年金を増やし、格差を是正する」
- 目的： フリーランスや非正規雇用が増える中で、「全員がもらえる年金」を充実させて将来の生活不安を減らす。
- 財源： 主に厚生年金の減額によって調整。
つまり、「会社員などの厚生年金を一部カットすることで、基礎年金の支給額を底上げしよう」という考え方です。
なぜ見送りに？自民党の反対理由を解説
自民党の議員たちからは、次のような反対意見が出ました：
- 「厚生年金が減れば、会社員の将来の安心がなくなる」
- 「働く人のやる気がなくなる。勤労意欲が下がる」
- 「若い世代の税負担が増える可能性がある」
厚生年金は現役で働く人の将来の柱となる制度です。そこを削って基礎年金に回すという仕組みは、負担の押し付けに見えるため、与党内でも慎重な声が上がったのです。
今回の見送りで、私たちの生活はどう変わる？
短期的に制度が大きく変わることはありません。しかし、年金財政の悪化が進んでいるのは事実。以下のような影響やリスクが考えられます。
将来的に考えられるリスク：
- 年金支給開始年齢の引き上げ
- 年金額の実質的な減額（インフレに追いつかない）
- 現役世代の保険料負担の増加
今後の年金制度改革の行方は？
政府としては今後も「持続可能な年金制度」のために改革を進める意向です。
しかし、国会や政党間の意見のズレが大きく、改革は一筋縄ではいきません。
年金制度の行方は、政治と財源の問題が深く関わっており、今後も注視が必要です。
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特に、2024年から新しくなった「新NISA制度」は、非課税枠も拡大され、将来に向けた投資の強い味方になります。
まとめ：年金改革のニュースは“自分ごと”として捉えよう
今回の「基礎年金の底上げ案の見送り」は、制度の公平性と財源問題のバランスの難しさを浮き彫りにしました。
年金制度の行方は、私たち一人ひとりの将来に直結します。
制度に関心をもち、ニュースをチェックしながら、自分でできる資産形成にも目を向けていきましょう。
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